「単純に楽しむのではなく、チャレンジを楽しみたい」上田桃子

CALLAWAY STAFF PLAYER MOMOKO UEDA
スタッフプレーヤーインタビュー 上田桃子

2年続けて未勝利に終わった、2016年の上田桃子。しかし、この1年も無駄なものではなく、必要な時間だったということを、本人は理解している。もっと、強くなるために。

上田桃子インタビュー

以前、このキャロウェイテラスのインタビューにおいて、2016年シーズンへの思いを聞いたとき、上田桃子は「具体的な目標はない」と言いながら、別の2つのテーマを語っていた。
1つは、「純粋にゴルフを楽しむことを忘れてはいけない」ということ。そして、もう1つは、「一瞬一瞬、1試合1試合に全力を尽くしていく」ということ。いま2016年の自らの戦いぶり、過ごし方を振り返って、この2つのテーマは達成できたと感じているだろうか。

「全力では、やれたと思います。一方で、楽しむというのはできなかったというか、自分の目標設定をちょっと間違えていたのかなと思います。アマチュアの人は、ゴルフを楽しむべきだと思いますが、プロは仕事ですし、そのなかでチャレンジするという楽しさはもちろんありますけれど、若干ズレていたという感じですね」

 2016年シーズンの成績を考えれば、ゴルフを楽しむことが難しかったのも無理はないと、誰もが思う。トップ10は5回で、賞金ランキングは35位。2015年はトップ10が16回で、ランキングは7位だから、大きく見劣りしてしまうと言っていい。そして何より、2年続けて優勝には手が届かなかった。
「優勝にフォーカスしていたので、そこが2015年同様にできなかったのは非常に残念だなと思います。トップ10が何回とか、最終戦のリコー(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)に出られなかったというのはあくまで結果なので、そこはただただ現実として受け止めています」

 不本意なシーズンを送らざるを得なかった理由は、本人もわかっている。優勝にフォーカスしているからこそ行った、スイング改造だ。
「きっかけは、プレーオフで勝ちきれなかった(昨年6月のヨネックスレディスゴルフトーナメント)からです。いろいろ変えたので、すぐにはうまくいかないと思っています。具体的に求めていたのは、ショットの音。スイング自体は元に戻すというよりも、新しく常にどんどん変わっていて、そのなかで自分がもともと好きだった音を取り戻すということです。これからも求めていくことになります」

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10年前より成長していることを実感している

しかし、この言葉をよくよく考えてみれば、これこそが冒頭のコメントにあった、単純な楽しさではない、「チャレンジする楽しさ」の1つでもあるだろう。ほかにも、7月の全英リコー女子オープンで海外プレーヤーのパッティングを目の当たりにした経験から、エースに代わる、より良いパターを模索するなど、さまざまな試行錯誤が続いている。
「チャレンジは、2017年もしていきたいなと思います。チャレンジすることを楽しむ。チャレンジするというのは、失敗を恐れないことじゃないですか。たとえば、ただガンガン攻めるだけがチャレンジではないですし、そういうことなら若い子のほうがチャレンジングということになります。そうではなくて、いろいろ経験をしたなかで、リスクの少ないものを取りつつ、新しい攻め方をするということこそ、自分のチャレンジだと思います。ときには、狙えると思っても、そこを狙わずしてどうやってバーディーを取るか、とか。

 あとは、どれだけ気持ちを込めてやれるかじゃないでしょうか。不安もありますし、欲も出てきます。でもそういうものを全部コントロールしたうえで、失敗を気にせず、自分のフォーカスすべきものにチャレンジできるかどうか」

上田桃子インタビュー

 目先の結果は考えない。だが、そのチャレンジの先につながると信じているものは、もちろん言うまでもなく、優勝の2文字だ。
「目標は、まず1日でも早く勝てるようにすること。出た試合は、いつでも勝ちたいと思いますし、そのための準備をしっかりして、毎試合ベストを尽くしたい。それを実現するために必要なのは、行動力じゃないですか。やるしかないと思います。
スポーツは、頭で考えるものではなくて、やっぱり体で表現するもの。体で表現するためには、体が覚えなければいけませんが、年齢とともに頭でっかちになったり、頭で考えることで体がストップしてしまったりすることもあります。プロなので、考えるということも最低限のところで必要ですけれど、それだけではなくて、しっかり表現できるプレーヤーでいられるように、2017年はがんばりたいと思います」
振り返れば、彼女が日本女子ツアーの賞金女王になったのは2007年。今年2017年は、それから丸々10年が経過したということだ。
「経験というのは、失敗も成功も財産だと思います。そして、経験はつなげて初めて意味があると思います。1年1年の積み重ねというのを大切に、2017年は結果に結びつけたいなと思います。それに、何かプラスな材料が一つでも多いのは、すごくいいこと。10年前の自分より少しでも成長した自分を感じられるかなと思うだけでも、プラスになると思っています。もちろん、10年前より成長していることを、いまも実感しています」

 経験はときに、変化やチャレンジを妨げる。だが、いまの彼女は、どちらの重要性も充分すぎるほどにわかっている。2つがちょうどいい具合にバランスしたとき、果たしてどんな成果が生み出されることだろう。上田桃子にとって、2017年がそのタイミングの年になるのかもしれない。

上田桃子インタビュー

上田桃子
出身地:熊本県熊本市
生年月日:1986年6月15日
出身校:東海大学付属第二高等学校(熊本県)

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