「わがままで自分勝手な1年にして、とにかく数字を残したい」深堀圭一郎

CALLAWAY STAFF PLAYER KIICHIRO FUKABORI
スタッフプレーヤーインタビュー 深堀圭一郎

50歳まで、約1年半。しかし深堀圭一郎の目に、シニアツアーという新たなステージはまったく映っていない。2017年レギュラーツアーシード権を取りにいく!

深堀プロインタビュー

 どんなに硬い金属でも、長年、負荷をかけつづければ、疲労も起こすし、経年劣化もしてしまう。もちろん、人間だって同じだ。普通に生きているだけでも、そこかしこに問題が出てくるのだから、ましてプロスポーツ選手なら、なおさらのこと。
「昨年は、痛いところが多いという問題がありました。具体的には、ヒジですね。両ヒジに痛みが出てしまって。長年やってきたことから出てくるものですね」
 デビューした1992年から数えて、2016年でちょうど25年。並みのプレーヤーではとうてい達することのできない年月を、レギュラーツアーの第一線でずっと戦ってきた。48歳の深堀圭一郎の体に、もし何も起こっていなかったとしたら、そのほうが逆に不思議ではないか。
「痛みに対して、いろいろ試そうと思っているうちにスイングが乱れてきたり、道具を変えてみても、思い通りの球が打てなかったり。すべてが空回りしてしまう感じでした」
 結果、2016年は、「数字が物語っているとおり、いちばん良くないシーズンでしたね」と本人が素直に振り返ったように、まったく満足できない1年となってしまった。賞金ランキングは102位。初めてシード権を獲得した1996年からの21年間のなかでは、足の手術のためにツアーの大半を休まざるを得なかった2011年の139位に次ぐ、不本意な成績だった。
 何より難しかったのは、練習を積めないことだった。プロにとって「準備」は、成績を残すために、何より重要なものの一つ。それを充分にできないもどかしさは、想像に余りある。
「自分が良くないところを補うためには、やはり練習をしないとうまくいきません。でも、痛みがあると、練習ができない。そういうことの繰り返しですよね」

深堀圭一郎インタビュー
 先述した、痛みを和らげるためのクラブセッティングも、マイナスに作用した部分があった。ドライバーは「不安がなかった」という一方で、アイアンの精度が問題になったという。
「アイアンでは、ボールのスピンを出しながら距離感をつくるタイプなんですが、ヒジになるべく衝撃が来ないようなシャフトやヘッドに変えた分、それが弾道に影響してしまいました。それで、以前なら、この球をいい感触で打てば5mには寄るだろうというところで10m、ちょっとミスをしたら10mだったものが、15mという具合になって、苦しい展開になることが多かったですね。試合のコンディションだと、楽なところにピンは切られていないので、15mとなれば、どうしても次に繊細なパーパットが残ることも多くなりますから。バーディーも減りましたけど、ボギーを打つ率も高くなってしまいました」

レギュラーツアーに残るための“最後”の大きな節目

 しかし、そこは経験豊富なベテランだ。悪かったことばかりに目を向けるのではなく、良かった面も見ることで、気持ちをポジティブに切り替える。2017年シーズンにおいて、やるべき方向性も定まっている。
「ヒジについては兆しも見えてきていて、どう治していけばいいかというのもわかってきています。アイアンについても、ダメだったところを、こうしようというのが見えています。具体的には、シャフトをもともと使っていたものにしながら、もう少し簡単に打てるものにしていこうかなと。そういう意味で、ただ成績が悪かったというのではなく、ちゃんと先に見えるものを感じながら、次に行けるという年だったと思います。ここ数年トライしているのが、年齢を重ねたなかで新しい自分を見つけていくということ。マイナスに見えることもありますが、その先に見えてくる答えがあると思ってやっているんです」
 その“答え”に向けて、キャロウェイのニューモデルも大きな後押しとなりそうだ。話題の「GBB EPIC ドライバー」には、本当に驚いたという。
「武器になりそうですね。最初に打ったときから初速が圧倒的に違いましたし、本当にリップサービスではなく、なぜ同じ振り方をしているのに、こんなにデータが違うのかと。
ツアーでは、他のプロもみんな距離が伸びてきていますし、飛ばせたほうがやはりプラス材料に働きます。自分らしさと、そういう最新のテクノロジーをうまく融合させて、自分だけでは補えなくなってくる部分をカバーできればと思いますね」
 生涯獲得賞金25位以内の権利を行使して臨む2017年シーズン。目標を尋ねると、いつもの穏やかなトーンに、ピリッとした空気感、重厚感も加わった。

深堀圭一郎インタビュー

「もちろん、いつでも優勝したい、優勝ができるゴルフをしたいという気持ちを持ちつづけていますし、追いつづけています。
50歳という節目も、もう目の前。シニアというカテゴリーにも、もちろん、いろんな意味のチャレンジする部分はあると思います。でも、レギュラーツアーでやりたくてもできないという環境のプロがほとんどという年齢のなかで、やっぱり1年でも1試合でも、レギュラーツアーに出つづけられる自分でいたい。しかも、ただ出ているだけというのではなくて、意味のあるレギュラーツアーのプレーヤーとして、1年でも長く残っていたい」
 深堀圭一郎にとって、大勝負の年がやってきているということだ。
「レギュラーツアーに残っていくためにも、50歳までの残りの約1年半は本当に重要です。とくに、2017年は。たしかに、一度ツアーに残れなかったとしても、その先に戻れるかもしれない。でも、それを考えることは、いまはまったくなくて、とにかくこの2017年が最後と思って、心してやらなくてはいけない。大きな節目になると思います。
2017年は、表現はちょっと違うのかもしれませんが、わがままにやろうと思っているんです。いままでも、わがままにやってきていましたけどね。自分勝手な1年にして、とにかく数字を残したいですね」

出身地:東京都
生年月日:1968年10月09日
出身校:明治大学

<2017年 CALLAWAY STAFF PLAYER インタビュー>
「単純に楽しむのではなく、チャレンジを楽しみたい」上田桃子
「勝つまでは、まだ私のなかで復活したとは言えないんです」佐伯三貴
「2017年は、毎週テレビ中継に映ることが目標です」藤田光里